Routines とは何か
Routines は、Claude Code の構成(プロンプト、対象リポジトリ、使用するコネクタ / MCP サーバー、スラッシュコマンド等)を保存して再利用可能にしたパッケージです。保存後は複数のトリガーから自動起動でき、実行は Claude Code のクラウド基盤上で行われます。Mac/Windows をスリープさせていても、出張中でも動き続けます。
3 つのトリガー — どれを何に使うか
| トリガー | 特徴 | 向く用途 |
|---|---|---|
| Scheduled | cron 相当。時刻指定で反復実行 | 日次レポート、週次メンテ、月末バッチ |
| API | HTTP エンドポイント + 認証トークン | 社内ツール連携、Slack bot、外部サービスからの呼び出し |
| Webhook(GitHub) | リポジトリのイベントで起動 | PR コメント対応、CI 失敗修復、Issue 自動対応 |
3 つは独立ではなく1 つの Routine に複数トリガーを紐付け可能です。たとえば「毎朝 9 時に自動起動(Scheduled)」「PR がマージされたら追加実行(Webhook)」「手動で Slack からも呼べる(API)」という重ね掛けができます。
プラン別の実行上限
| プラン | 1 日あたりの Routine 実行回数 |
|---|---|
| Pro | 5 回/日 |
| Max | 15 回/日 |
| Team | 25 回/日 |
| Enterprise | 25 回/日(カスタム拡張可) |
実行回数の考え方
1 Routine = 1 実行としてカウントされます。Scheduled を毎時 1 回で動かすなら 1 日で 24 回消費するため、Pro/Max プランでは現実的に「重要バッチを数本だけ」の運用。全社的に広げたい場合は Team 以上が必須です。
業務活用パターン 6 選
① 日次売上レポートの自動生成・配信(Scheduled)
ERP/CRM から MCP サーバー経由でデータを取得、前日比・前年比を計算し、Slack/Teams にサマリ投稿。従来の BI ダッシュボード運用をAI がコンテクスト付きで要約してくれる形に進化します。
② 月末 AWS/GCP コスト点検(Scheduled)
クラウド請求 API を叩いて前月実績を取得、異常値を検知して CFO と情シスに通知。「なぜ伸びたか」の自然言語レポートも一緒に生成。
③ GitHub PR の自動レビュー(Webhook)
PR がオープンしたら自動でレビュー実行、社内コーディング規約チェック、セキュリティホール指摘、テスト不足の指摘をコメントとして投稿。人間のレビュアーの負担を大幅に削減。
④ CI 失敗の自動修復試行(Webhook)
GitHub Actions の失敗通知を受けて Claude Code がエラーログを解析、典型的なエラー(依存関係、環境変数、型エラー等)は自動修正 PR を作成。リリース作業の夜間待機が不要に。
⑤ 競合監視・市場情報収集(Scheduled + API)
毎朝、競合 5 社のプレスリリース・X 投稿・求人情報を横断取得し、変化点をサマリレポート化。マーケ・経営企画の情報収集作業が自動化されます。
⑥ 問い合わせメール一次回答ドラフト(API)
メールサーバー or Gmail API からの Webhook で起動、ナレッジベース(RAG)を参照して一次回答ドラフトを作成、担当者は内容確認だけで返信。カスタマーサポートの平均応答時間を短縮。
導入時に必ず設計すべき 3 要素
権限最小化
Routine は自動実行されるため、付与する MCP サーバーの権限を必要最小限に絞る設計が必須です。読み取り専用で済む業務に書き込み権限を付けない。本番 DB への直接アクセスは禁止、ステージング環境やレプリカ経由にする、等の原則を徹底します。
監査ログと通知
Routine の実行履歴はダッシュボードに記録されますが、業務上重要なものは追加で Slack/メール通知と社内ログ基盤に保存します。失敗時の早期検知、事後監査の根拠確保の両面で必要です。
ヒューマン・イン・ザ・ループ判断
「AI が勝手に送る」べきでない領域(顧客への正式メール送信、本番環境の設定変更、金銭のやり取り等)は、ドラフト生成までを Routine で自動化し、最終送信は人間が承認する設計に固定します。
エトラクトの伴走ポイント
- ユースケース設計 — 自動化して効く業務を業務フローから抽出
- MCP サーバー開発 — 社内システムへの接続口をフルスクラッチで実装
- Routine 設計・テンプレ化 — Scheduled/API/Webhook の組み合わせ設計
- セキュリティ・ガバナンス整備 — 権限・監査・承認フローの設計
- 社内への展開支援 — 運用ルール策定、管理職向け説明
まとめ
Routines は、Claude Code が「開発者の手元ツール」から「会社の常駐エージェント」へと役割を拡張する機能です。DevOps 専任者を増員せずに、n8n や Zapier などのノーコードワークフロー層で実現していた自動化を、自然言語で、AI 判断つきで動かせるようになります。Research Preview ですが、今から Routine 設計を始められる企業は、AI ネイティブな業務運用で先行できます。